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はしゃぐナノナノとアニス。こうして見ていると、幼い子どもとなんら変わりない。
アプリコット
「ダメだよアニスちゃん。イジメたら新人さんかわいそうだよ」
アニス
「心配ねーよ」
海からあがり、レジャーシートに脱ぎ捨ててあった上着を引ったくるようにして拾い上げて着る。
アニス
「さて、いっちょやりますか……」
カズヤ
「と、まぁこれが艦内の主な利用施設かな」
大まかに案内を終えたカズヤとアスカはティーラウンジでお茶をしながら話していた。年も近いことからかすっかり打ち解けたようすだ。
アスカ
「これといってなにも。ツッコミどころはいくつかあるけどね」
カズヤ
「……まぁそれはわからないでもないかな……」
と、そこでアスカがなにか思いついたようにカズヤに尋ねる。
アスカ
「ボクの紋章機……って、どこ?」
まわってきた構造からすると、おそらくは上部だろう。
カズヤ
「ああ、“ナイトウィング”ね。見せてあげたいのは山々なんだけど……」
アスカ
「けど?」
カズヤ
「整備が終わってないとかで、まだ見せられないんだ」
申し訳なさそうに言いわれ、アスカは少々残念な顔になる。これから苦楽を共にする相棒なら、せめて挨拶だけでもと思ったのだが、あいにくそうはいかせてくれないらしいのだ。
アスカ
「そうか……ならしかたな――ッ?」
言いかけたとたん、何かを察知したかのようにものすごい速さで席から離れ、床に身を低くした体勢になる。カズヤはあまりも素早い彼の動きに驚きを隠せないでいた。
今、動いた……のか?
カズヤには彼の動きすらとらえることができなかった。
アニス
「へぇ……いい動きするじゃねぇか」
カズヤ
「アニス!危ないじゃないか!」
テーブルに刺さったナイフを見て、カズヤはアニスにつめよる。
アニス
「るっせーな。安心しろ狙ってねーから」
アスカ
(顔面スレスレだったんですけど!?)
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