きっかけ

2/12
前へ
/101ページ
次へ
ちくしょう!ちくしょう! ダラダラと流れ落ちる鼻血を気にもせず、階段を駆け上がる。 ぜいぜいと息がきれ、足がもつれる。 はやく…!はやく…! ようやくドアが見える。 外の光が分厚いガラスから差し込み、今の僕には救いの光のように見える。 ドアを開くと、顔に吹き付ける強い風。 誰も居ない屋上。やるなら今だ。 さっきまで走っていたのも忘れて、僕はフェンスに駆け寄る。 そこは、愚民共を眺めることが出来るお気に入りの場所だ。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加