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「第3班研究員、暁!
あんたに3日間の謹慎を言い渡す!」
「嫌です」
「即答するなぁぁあ!!
3日で済んだだけ有り難く思えばか者!!」
怒りを露にするキエラをよそに、壇はキメラ製造機へと近付く。
製造機はブスブスと音をたてながら黒い煙を吐き出していた。
「おー…今回も随分見慣れた姿に…」
「見慣れてるのはあんただけ!!
本当に日本の天才科学者!?」
「だーかーら、そう呼んでるのは一部の人間なの」
壇は昔、日本でかなりの功績を上げた科学者だった。
ここにくる前は、『日本の頭脳』と何の捻りもない呼び名で呼ばれていたとかいないとか。
しかしここに来てからは失敗ばかり。
いつしか、『お荷物研究員』という呼び名までついてしまった。
「あんた、計算しないから失敗するんでしょ!
計算すればいいだけの話じゃない!」
「面倒なんですー」
「ガキか!
…そんなんじゃ、いつクビになってもおかしくないわよ!」
「そしたら僕ニートになるー」
「働け!」
―――コツン
「ん?」
その時、製造機の残骸を片付けていた壇の手に、何かがぶつかった。
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