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「これはこれは、ルシファルト班長もいらっしゃいましたか。
こんな研究員のせいで苦労なさっているでしょう?お気の毒に」
こんな研究員とは、言わずもがな壇の事である。
メルタは完璧主義で、出来損ないは大嫌いだった。
つまり、壇の事が大嫌いなのだ。
「それが、見て下さい!
暁が作ったキメラです、成功したんです!」
「…何だって…?」
壇の手に乗るキメラを指差しながらキエラが言う。
ソレを見てまさか、信じられない、とでもいうように目を見開くメルタ。
しかし次の瞬間、ソレを隠すように壇の手が後ろに引っ込んだ。
「あ、こら、何で隠すのよ!」
「…うるせ…」
「…お荷物君、良く見えなかった。
もう一度見せたまえ」
「頼まれても、やだね」
「暁!」
眉をよせるメルタと不機嫌そうな壇の目線がぶつかる。
と、その時
いつの間にか壇の手から降りたソレが、キエラの足元をチョロチョロと動き回っているのがキエラの視界に入った。
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