4人が本棚に入れています
本棚に追加
私は日々をとても新鮮な感情で暮らしていた。世界は平和に満ちていて――。私は絵画を描く意欲を留めなかった。
街は仄かに笑ってくれる。
夕焼け空は私の胸をさらに朱く染めてしまう。
頬に赤い斑点が、友人の口から思いがけない言葉を紡がせる――。
「……綺麗だね」
私は恥ずかしさを隠しきれずに、またさらに顔が熱くなったように感じた。
精一杯の助走も、踏み切りまでには空回り。それでも夕焼けの景色は、私と友人を染め続けていた。
最初のコメントを投稿しよう!