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その朱い表情のあまたの輝きも、その時にはまだ不鮮明だった将来の不安感も、その時の私達には到底、無関係に思えるほど、二人は同時代に産まれおち巡り逢った、少しの、小さな美しさについて、陽が消え落ちるまで語り合いを止めなかった。
黄金色の田園地帯でもない、膨らんだ雲々すら泣きそうなくらい哀しみに満ち出してきていたのか、今でこそやっと現実がわかったんだけど、……これが大人になるって本当の意味だったのかなあ。けれど、そんなこと、今も昔も信じていたくなかったに違いないわ。
私達は失ってはいけないものの大きさに気が付くのに遅すぎたんだろう。
無名時代の友人達は、今では何をしているのかしら。
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