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「私が誰かって?」
フッと笑い、彼女(?)はバッとポーズを取った。
左手を前に、右手を横に、体制は少し猫背で――そう、今にも「俺、参上!」とか言い出しそうなポーズ。
「ある時は主夫!ある時は万引きGメン!またある時はアニメヲタ!その正体は……」
ヒロⅢ世は空気を読んで唾をゴクリと飲み込んだ。
「怪盗『雨宮黄英』推参!」
「な、何だって~!あの伝説のレベル69の怪盗、雨宮黄英だと~!?最近『アニマル探偵きる●んずぅ』にハマってる雨宮黄英だと~!?ぶっちゃけレビューの内容をそのまま本文に反映させるためにこのタイミングで出すことになってしまった雨宮黄英だと~!?さらにYouT●beの『裸●偵』の実写版で――」
「ちょっとストォップ!」
ヒロⅢ世の驚嘆は彼女(?)の雄叫びで遮られた。
「長いわ!あといちいち細かい状況とか裏情報とか語るな!めんどくさいわ!」
「サーセン」
きまじめな顔で淡々と声を出すヒロⅢ世。
「ちょ、絶対この子反省してないよ!」
「反省なんかしてたらこんな小説書けないぜ!」
「それは何?あなたのセリフ?それとも作者のセリフ?」
どちらというのは誰がどう見ても明らかだった。
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