コイン編②~もうやめられない止まらない~

7/10
前へ
/127ページ
次へ
と、その時。 「万引きよ~!オッペケペンムッキー!!」 背後からあわてふためくおばさんの叫び声が轟いた。 「しまった!こっちは囮か!」 雨宮は急いで駆け出す。 ヒロⅢ世も後に続く。 犯人が出て、閉じかける自動ドア。 それを無理やり両手でこじ開け、追い掛ける雨宮。 犯人は長い黒髪を靡かせながら先を走っていく。 体つきからして女だろうか。 「あの長い髪の毛……!まさか――あの女か!」 黒い三連星のリーダー並の低音でつぶやく雨宮。 「知ってるんですかお兄さん!?」 「お姉さんだ!……ああ、多分奴は“アイツ”だ」 ヒロの言葉を修正してから、彼が確信していることを伝える。 そうこうするうちに、みるみる犯人との距離は縮まっていく。 さすがは怪盗レベル69。 足の速さは伊達じゃない。 目鼻の先に犯人の背がある。 雨宮はすばやく飛び掛かった。 「捕まえた!」 犯人を見事取り押さえることに成功した。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加