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と、その時。
「万引きよ~!オッペケペンムッキー!!」
背後からあわてふためくおばさんの叫び声が轟いた。
「しまった!こっちは囮か!」
雨宮は急いで駆け出す。
ヒロⅢ世も後に続く。
犯人が出て、閉じかける自動ドア。
それを無理やり両手でこじ開け、追い掛ける雨宮。
犯人は長い黒髪を靡かせながら先を走っていく。
体つきからして女だろうか。
「あの長い髪の毛……!まさか――あの女か!」
黒い三連星のリーダー並の低音でつぶやく雨宮。
「知ってるんですかお兄さん!?」
「お姉さんだ!……ああ、多分奴は“アイツ”だ」
ヒロの言葉を修正してから、彼が確信していることを伝える。
そうこうするうちに、みるみる犯人との距離は縮まっていく。
さすがは怪盗レベル69。
足の速さは伊達じゃない。
目鼻の先に犯人の背がある。
雨宮はすばやく飛び掛かった。
「捕まえた!」
犯人を見事取り押さえることに成功した。
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