コイン編②~もうやめられない止まらない~

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「あれか……」 ヒロⅢ世はある建物を見つめた。 市街にある巨大な建造物。 住居が立ち並ぶ中、その存在は一際異彩を放っている。 「よし、いくぜ」 中に入ってみる。 自動ドアをくぐり、ひんやりと冷房の効いた室内へ。 そこにはたくさんの品物が棚に並んでいた。 その品物は食品がほとんどだが、日用品や雑貨も少しは取り扱っている。 「クッ……なんて数だ!」 「いらっしゃいませ~!今日は秋刀魚が安いよ~!」 大声をあげる男性。 「馬鹿な!秋刀魚が150円だと?安すぎる……!」 数種類の生魚の前で、ヒロⅢ世は愕然とした。 と、その時。 「お兄さん、ちょっと味見していかないかい?」 中年の女性が話し掛ける。 「何!?無料でか?」 「ああ、今日安売りの秋刀魚だよ~」 小切れになっている秋刀魚の塩焼きに爪楊枝が刺さっている。 一口でいただく。 「うまい!これが150円で何口も!これは買うべきだ!」 秋刀魚を手にとった瞬間、ヒロⅢ世の頭に蹴りを入れられたような感触が広がった。
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