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「あれか……」
ヒロⅢ世はある建物を見つめた。
市街にある巨大な建造物。
住居が立ち並ぶ中、その存在は一際異彩を放っている。
「よし、いくぜ」
中に入ってみる。
自動ドアをくぐり、ひんやりと冷房の効いた室内へ。
そこにはたくさんの品物が棚に並んでいた。
その品物は食品がほとんどだが、日用品や雑貨も少しは取り扱っている。
「クッ……なんて数だ!」
「いらっしゃいませ~!今日は秋刀魚が安いよ~!」
大声をあげる男性。
「馬鹿な!秋刀魚が150円だと?安すぎる……!」
数種類の生魚の前で、ヒロⅢ世は愕然とした。
と、その時。
「お兄さん、ちょっと味見していかないかい?」
中年の女性が話し掛ける。
「何!?無料でか?」
「ああ、今日安売りの秋刀魚だよ~」
小切れになっている秋刀魚の塩焼きに爪楊枝が刺さっている。
一口でいただく。
「うまい!これが150円で何口も!これは買うべきだ!」
秋刀魚を手にとった瞬間、ヒロⅢ世の頭に蹴りを入れられたような感触が広がった。
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