プロローグ

2/2
前へ
/107ページ
次へ
この平成が終わった次の時代の世界と、平成とでは……大きく違うことが3つ。 1つは、魔物の発生。 1つは、身分制度。 最後の一つは、魔力の存在。 魔物は山奥や樹海など、人が住まない場所に生息しているせいか、人がその存在によって死に至っているということはほとんどない。 念のため、街に結界をはったりしているというのも事実だが、魔物との争いなどは、全くといっていいほどないのだ。 そして身分制度。これは、ある者が、日本の人口があまりにも増加してしまったことを機に、国が設けた制度だ。 人民区別が出来れば、色々とやりやすかったのだろう。そう、『色々』と…… そして、魔力の存在。 これは、人間は自分に隠された『魔力』という力を持っている。と、ある科学者が研究し、発表したその時から広まった。 色々な研究を重ね、一般人にもその魔力は使える程度に。 そんな世界に彼らは住んでいた。もっとも、科学というものも忘れ去られてはいない。 携帯電話やパソコン、電車、テレビなどのものも勿論存在している。 魔力もあり、科学もある。まさに最高の世界。 ……そんな世界に、ある一人の男、村雨緋音は存在した。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1349人が本棚に入れています
本棚に追加