最悪な出会い

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なんか…バカにされてる? 「あの、何か?」 「いや。目の前で百面相してるのが面白くてな、つい。」 「は、はぁ…」 苦手なタイプ…だな。 「お前さ、来ない奴のこと待ってどうするんだよ?」 ………は? いきなり、目の前の男が言った言葉に頭がついていけず呆然となる。 「あ、あの…」 「あぁ、なに?びっくりした?それもそうだよな。お前、緒方浩志だろ。」 煙草をふかしながら目の前の男は妖しく笑っている。 な、に…言ってんだ?何で俺の名前… 「なんで知ってるって顔してるな。俺が悠美だからだよ。」 「なっ!?」 は!?ちょ…頭ついていけないんだけど!!なんだ?つまり今俺の目の前にいる男性が悠美ってことでって…えぇ!?!? 「あんたが…悠美?は?だって、悠美は女…」 「悠美が女だって、いつ言ったよ?ハハ。まんまと騙されてやんの。」 「!!」 バシャ!! コップに入っていた水を手にとり、目の前の男にかける。 「最低な人ですね。」 雫をしたたらせた髪を上にかきあげ、男は鼻で笑う。 「そういう絶望した顔が見たかっただけさ。まぁ、水かけられるのは予想外だったけどな。」 店内はざわざわと俺らの席を注目している。 「………くそっ!!」 俺は店を急いででていく。 むかつく、むかつく、むかつく、むかつく!! こんな最悪な日があっていいのだろうか…いや、現に今あったけど… なんなんだよ、あいつ…人のことバカにしやがって!! 浩志が出ていった後も店内のざわめきはおさまらず。 「お客様、大丈夫でしょうか?」 ウェイトレスが慌ててタオルを持ってくる。 「緒方浩志か…なかなか面白いやつだったな…」
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