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平和だぁ…
窓の外の風景を眺めているとそう思う。
『あんたとなんてなぁもうこんりんざい会うことなんかねぇよ!』
みたいなこと勇弥に言ってから、5日くらい経つか…あ、一週間そろそろ終わるじゃん…
あれから勇弥と本当に会ってねぇや。ま、それはそれで嬉しいんだけど。
「浩志ー♪」
「なんだよ、幸樹?」
まだ二時間目の休み時間なのに、やけにテンションが高い幸樹。
「昨日、俺かっこよかったんだぜ!!」
「何が?」
「お、やっぱり浩志も気になるだろ!!」
「いや、べ…「昨日さ、彼女とデートしたんだよ♪」
人の話し最後まで聞けよ…この、アホさる。
「で、それが?」
「俺の彼女可愛いいからさぁー。変な連中が声かけてきやがって。」
「へぇー。」
「で、俺足速いじゃん♪あいつらの一人の蹴りかわして彼女の手を引っ張って全速力で逃げてその場を脱出できたんだよー。どうだ?かっこいいだろ!!」
「………………弱虫」
「ガーン!?俺弱虫なんかじゃねぇよ!!」
「ベタな話ししたかと思えば、逃げたのかよ…」
「だって、お前相手は5人いたんだぞ!」
「そういうときこそ力ずくで彼女を守んのが男ってもんだろ。」
「うん。まぁ、そうなんだけどさ…けど、殴り合っても負けちまうのは結局俺だろ?彼女を危険にさらすよりは、どんな汚い手でも守ってあげたかったんだ…」
「幸樹…」
「ま、そんな俺の勇士を聞いてかっこいいって思っただろ!!」
「バカか…女じゃあるまいし。」
「えー!俺の目標は、浩志にかっこいいって言われることなのにぃ~。」
「ギャルみたいな言葉使うな。キモイ…」
「うわぁー!!ひでぇ!!!」
その時は、幸樹の言葉を深く考えなかった。
だけど、後々幸樹の選択が正しいことを知ることになろうとはこの時俺は知らなかった…
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