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「遅くなったな…ι」
日直の仕事が遅くなり、足早で帰っているとどこからか騒がしい声が聞こえてきた。
「金だせや!!」
「な…ないって言ってるじゃないですかぁー…ι」
「俺らの陣地に入ってきたんだ。金払うのが普通だろ!!」
なんだ…?なんかしなくても…たぶん、このセリフは…
カツアゲ!?
はぁ!?マジかよ!!また最悪な場面に遭遇しちまったし!!!
「だせって言ってんだろーがよ!!」
物陰から隠れて様子を見るとどうやら絡まれているのは俺と同じどっかの高校生で、周りには四人の男性が取り囲んでいた。
…………これ逃げた方が早いよな…
見なかったことにして逃げれば…そうすれば面倒なことには…
「た…たすけ…」
「アハハ。助けなんてこねぇよ。」
………………
「出せって…「お前ら!何してんだよ!!」
「あぁ?」
男子に詰めよっていた男達がこちらを睨みつける。
「誰だ?お前。」
「いいから。そいつの手を離せよ。お前らに名乗るほど俺は暇でないんでね。」
「お前!!」
その隙を見て男子は男達の中から逃げだしていく。
「あ!!……お前、絶対許さねぇ…おい、そいつの手抑えろよ!」
この前みたいなドジまた踏むかよ!!
男の一人に蹴りかかると、いいところに命中したらしく膝まつく。
よしっと思った瞬間、手を後ろに引っ張られた。
「あ…」
両腕を二人の男に拘束され身動きがとれない状態になる。
「お前には痛い目を見せないとなぁー。正義ぶってるつもりだけどな、この世の中正義だけが必ず勝つとは限らねぇんだよ!!」
殴りかかろうとした男の手を蹴る。
腹めがけて蹴ろうとしたとき、両腕を痛いくらいにねじられた。
「うあぁ!!」
「よし、お前ら、そのまま抑えてろよ。」
顔を上げると、目の前の男が妖しく笑い俺の顔面を狙って拳を振る。
もう…ダメだ…
そう思い静かに目を閉じる。
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