雨音に消える泣き声…

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「立たせて欲しいのなら欲しいと言ってみろよ。」 「だ、誰がそんなこと…」 「あ、そ。じゃあ、そこで一人夜を過ごすんだな。じゃあな。」 「ま、待てよ!」 「…………」 勇弥は振り返りもせず俺との距離を遠くしていく。 くそっ!なんだってこいつにそんな恥ずかしいこと言わなくちゃいけねぇんだよ!! だけど…本当に立てそうにない…あぁ…もう俺本当情けねぇ… 「た…立たせて…ください。」 「……よく言えたな。」 「なっ///」 びっくりした…振り返っていきなり優しく微笑むから…さっきまで怖い顔してたのに… ヒョイ 「は?え…あ!おい!ちょ…なっ!!」 「うるせーなぁー。大声だすな。」 「立たせるだけじゃねぇのかよ!!///」 「立たせたってお前どうせ歩けなくてまたわめくだろ。」 「だからって…」 こんな…肩に担がなくても…ι 「すぐ近くに俺達が住む場所がある。今日はそこに泊まっていけ。」 「俺達って、あんたの他に誰か住んでんのか?」 「あぁ。お前もよく知ってる奴らとだよ。」 知ってる奴ら…? 俺ヤクザの友達なんかいませんけどι 勇弥は俺と同じ体格の割に力強いのか体力があるのか、俺を肩に担いでも「疲れた。」だのなんだの文句を一切言わなかった。 それが嬉しいようでなんだかとても恥ずかしかった。 そんな複雑な思いをしながらたどり着いた場所は一年くらい前につぶれた工場の倉庫だった。 不正行為をしてつぶれてしまった工場と、倉庫はまだ新しく学校の体育館より少し狭いくらいだが、二階だてである。 もしかして…? ふと思ったこと… こんなところに人なんて住めるわけないよな…ι
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