雨音に消える泣き声…

8/16
前へ
/911ページ
次へ
……………は? 「え…えっと…勇弥?」 さっきまで騒がしかった声が一斉に静まったのに驚いているのはたぶん俺だけ…遥さんなんて勇弥に話しかけているけど、めっちゃびっくりしてるよ… 「なんだよ?遥は煮物が嫌いか?」 「いや、そうではなくて…ですね、その…」 「なんだよ?じれってぇ奴だな…」 鈍感?遥さんが言えないのも当然じゃないか…そのクールな顔で煮物が食いたいとくれば誰だって驚くよ…というか、勇弥なら尚更な感じがする。 「勇弥が煮物って言うなら俺それでいい!」 「ヨシはやっぱりいい奴だな。さすがは俺の弟だけある。」 「えへへ~♪」 え!?こいつ勇弥の弟なの!?うっそぉー… 「ん?なんだよ、お節介男。」 「なっ!……いい加減その呼び方止めないとご飯抜きにするぞ…」 「うっι」 「そうですよ、ヨシ。ちゃんと浩志君の言うことを聞かないと。」 「なんで俺が…」 「浩志君。気にしないで下さい。あれはヨシが分かったと言うときのセリフですから。」 「へぇ~。」 「遥!!何言ってんだよ!?」 「私は何も。さて、では夜食を買いに行きますか。車は私がだしますので。」 「ありがとうございます。」 「あ、お兄ちゃん。僕も行きたい!」 「え?」 俺のとこに走って寄ってきたのは10歳くらいの男の子だった。 「うん。いいよ。ね、君名前は?」 「え?………えっとι」 「?」 「そいつにあんまり検索を入れるな。」 「勇弥…」 「おい、雅史。こいつについてけ。」 「はい。行こうぜ。」 「あ、うん。」 「ヨシもいけ。」 「なんで俺が!?」 「いいから、命令だ。」 「………へいへい。面倒な…」 えっと、俺を入れて合計5名か…車に乗り切れるのだろうか…ι
/911ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2543人が本棚に入れています
本棚に追加