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今更言っても何がどう変わるわけではないけど…
本当に人を好きになったのは愛が初めてだ…
それまでドラマとかで、『この人のことが本当に好きです!』とか言うセリフを聞いてバカバカしいと思っていたけど…
なるほど、失恋というのは言葉で表せないほどひどく辛く悲しいものだな…
何がいけなかったのか、足りなかったのか…付き合ってた頃は考えもしなかった…
愛はちゃんと俺のこと分かってくれているから言わなくても大丈夫だと思っていたけど…
逆に愛を疲れさせていたのかもな。
言わなきゃ伝わらないことだってある。
今になって改めて思い知らされた…
コーラを飲みほし、ゴミ箱に投げると暗闇の中を一人とぼとぼと帰って行く。
ドラマみたく、やりなおせたらなぁ~…
それから何日かは本当に落ち込んでいた…
さいわい学校で、愛と俺が付き合ってるのはバレてなかったし、愛とは違うクラスだったから気まずい思いはしなくて済んだのだが…
後悔ばかりが残って、苦しかった…
そんなある日…
「なぁ、おい!浩志!!」
「んぁ?」
なんだよ…人が久しぶりに気持ちよく寝てたのに…
「なんだよ?」
「それがさ!!俺彼女できてよぉー//どうすっぺ~」
ヘラヘラと笑い、大声で自慢話しをするこいつは中学の頃からの友達で名前は幸樹(こうき)。
うざいが憎めないタイプだ…
「よかったじゃねぇか…人が寝てんのにそんなことのために起こすんじゃねぇよ。」
おやすみと机に突っ伏そうとする俺の顔を無理矢理上に向かせる。
「いてっ!!なんだよ!!!」
「お前、どうして俺が彼女できたかとか聞かねぇの?」
「はぁ!?興味ね…「実はさ、チャットで知り合ったんだよな!!」
「…………あっそ。」
だから?と言うと幸樹は悲しい顔になる。
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