2543人が本棚に入れています
本棚に追加
《今度俺と会いませんか?》
とうとう、悠美をお茶に誘った。
同じ市内に住んでいることもあってか、悠美の答えは
《いいですよ。どこでお茶します?》
俺はファミレスの名前をだし、悠美にそこに来るよう言った。
《ファミレスから入って右側の席の後ろから二番目の席にいて。》
都合よく空くのか分からないが、悠美はちゃんといてくれそうな感じがした…
約束の日は、今週の日曜日…今は、金曜日…
後、2日…
俺はこのことを幸樹に言おうと思い電話をかける。
『はい?』
「あ、幸樹か?俺、浩志。」
『珍しいなぁー…浩志からかけてくるなんて…明日は雪か、雨だな。』
「バカ言え。残念ながら明日は晴れだ。」
『くそぅ…で、何の用だよ?』
『あぁ、じつはな…』
俺は幸樹に今週の日曜日彼女と会うことを話した。
『よかったじゃねぇか!!会って関係が進歩していくといいなぁー』
「進歩ってなんだよ…俺はべつに…」
『またまたぁ~。ったく、素直じゃないなぁー浩志君は。』
「何がだよ!?」
『まぁ、よかったじゃねぇか。頑張れよ。』
「お、おう。」
いつもながら、こいつってセリフが上手いよなぁー…
普段おちゃらけてるくせにさ…
受話器をおき、俺は窓の外を見る。
完全に愛を忘れるわけではない…ただ…
悠美に会って色々話しがしたい。愛とは似ているが少し違う彼女と…
俺は期待を胸にファミレスまでの道のりをいつもは使わない地図を見ながら確かめ手帳に書いていく。
来週の日曜日…ファミレス…朝の10時に
手帳にそう書き、ふっと笑うとまた窓の外を見る。
今の俺は幸せな気持ちがいっぱいで予想しなかった…世の中にはひどいことがあるということを…
終わり
最初のコメントを投稿しよう!