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『それじゃあ、荷物送るから勇弥さんの住所教えて。』
「え?」
『アパートに戻らないでしょう?ほらさっさと言いなさい。母さんも忙しいんだから!』
「わ、分かったってιんな怒るなよι」
母さんのでかい声にキーンと耳鳴りが鳴りながらも、倉庫の住所を教える。
『……。はい、分かった。それじゃあ、またね。』
「おう。またな。」
ガチャと電話を置く。
なんだかんだ言いつつも母さんは優しいのだ。
「浩志。終わったのか?」
「勇弥…」
声をかけられ、見れば隣に勇弥が立っていた。
「うん。終わった。」
「そうか…」
頷けば、優しく勇弥に抱きしめられる。
「うわっ!ちょ、ゆ…や。ここ廊下…」
「構わない。」
顔が赤くなる俺とは反対に勇弥は動揺しないどころか背中を優しく撫でる。
「ん…っ。」
「この後……いいか?」
「あ…///」
耳元で優しく問いかける勇弥の言葉に顔が真っ赤になる。
倉庫に戻ってから…その…勇弥と……ひ、一晩…明かしたわけで…///
その時から、頻繁じゃないけどこうして求められるようになったわけで…///
「う、うん//い…《ちょ、押すなって!》
「ん?」
途中で言葉を止めた俺に勇弥が首を傾げる。
気のせいか…なんか声聞こえたような…
辺りを見回すが誰もいない…。聞き間違えかな?
そう勘づいていた浩志は間違いではなく…
「今いいとこなんだから。皆静かにして!」
廊下の角に皆がいた。
勇弥が階段を降りたところからここの倉庫の野次馬達は角に隠れてこうして浩志達の様子を見ていた。
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