出会いはその瞬間から(最終回:後編)

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シンと静まり返った廊下にただならぬ怖いオーラが漂ってくる。 「お前ら……」 ボキボキと拳を鳴らしながら勇弥が近づいてくる。 「え…ιも、もしかして…このパターンは…」 「ヨシイィィィー!!!」 「やっぱりかあぁぁぁぁー!!」 雪崩から上手く抜け出して一目散に逃げるヨシを勇弥は追いかける。 「あららら…ι」 その光景に浩志は苦笑いすることしかできず… 「ねぇ、浩志。ごめんね。いいとこ邪魔して…」 服の裾を引っ張られ見れば、よっちゃんが申し訳ない表情をしていた。 「ううん。いいんだよ。こんなとこでやろうとするあいつが悪いんだよ。」 頭を撫でて優しく微笑めば、安心したのか笑顔で頷くよっちゃん。 「おめでとうございます。浩志君。」 「あ。は、遥さ…ι」 拍手をしながら近づいてくる遥さんに、そういえば報告がまだだったことを思い出し罪悪感を感じる。 「あ…の…ごめんなさ…」 「いいですよ。もう気にしてませんから。それより本当におめでとうございます。」 「あ、はい。ありがとうございます。」 遥さんにお礼を言えば、応援してますよと楽しそうな笑みを浮かべて言われた。 若干怪しいと感じるも今はその言葉が素直に嬉しい。 「ったく…あいつは逃げ足が速い…」 「はは。もう許してあげなよ。」 息を切らしている勇弥に微笑む。 「なぁ、浩志…」 「ん?」 しばらくして落ち着いた勇弥が口を開く。 「俺は……もしかしたらお前に出会った瞬間に恋に落ちてたのかもな。」 「勇弥…」 「お前は?」 「俺も!」 勇弥の言葉が嬉しくて勇弥に抱きつくと返事を返す。 出会いは最悪だったけど、今思えばあの時からもう俺は勇弥に惹かれていたのかもしれない… 勇弥に出会えて好きになって本当に今は幸せだって思う… 勇弥、これからもずっと、ずっと一緒にいような。 「勇弥。好き。」 「俺もだ。」 どちらともなく唇を重ね合わせる。 後から冷やかしされて勇弥がヨシを追いかけるのは後の話し。 今日も倉庫内は平和である。 終わり お付き合い下さりありがとうございました! 本編は終わりました。本当に長かったです…。 次、番外編に入ります(←え?) 詳しくはあとがきを見て下さると分かるかと。まだまだ終わりじゃありませんよ(殴)
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