番外編:新米刑事の受難シリーズ①

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――――――― ―――……… …… 昔から生まれつき髪の毛の色が赤茶だった。 そのことで周りから異様な目で見られてイジメられていた。 親は助けを求めても対応してくれなかった。それよりも、勉強ができる兄とよく比べられていた。 世間体をもっとも気にする親で、成績がいい兄ばかり構っていた。成績が悪い俺と兄との扱いは目に見えて違っていた。 『悪いことなんかしないでよ。ただでさえ頭悪いのだから。』 これだけは親が口をすっぱくして言っていた。 後は、挨拶をしっかりしろと。 でも、やっぱり反抗期はくるもので高校ではついに落ちぶれて悪い奴らと一緒に行動していた。 家には寝るために帰る。学校は単位をとる分だけ行ったら授業中寝たり、仲間とふざけたり、サボったりした。 仲間は皆、俺の髪の毛の色をとやかく言わなかった。 たぶん、それが心地よかったのだと思う。 構ってくれる相手がいて楽しかった。 悪いことはたくさんした。ただ、窃盗や麻薬に手を出したりはしなかった。 夜中公園に溜まり酒を飲んだりした。 元々タバコはダメだったのか何回か吸ってみたけど、どれも気持ち悪くて吐いたのを覚えている。 他校と喧嘩をしたり、学校に来なくて先生に追いかけ回されたり、校内をバイクで駆け回ったり、もう少しで退学処分になるくらいのことをたくさんしていた。 大絹さんと会ったのもそんな日々が続いていたある日の夜中仲間といつも通り公園に溜まって酒を飲んでいたときだった。 見回りの警官が三人くらいいたのを覚えている。 多いなと思っていたら一人だけ背広姿の男性が混じって4人で公園内を歩いていた。
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