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「どうした!?ってか…おまっ、少し落ち着け?な?は、離れろ。」
「うぅ…わたなべえぇ…」
優しく肩を離されてぐずる俺に渡辺は優しく微笑みかける。
「何かあったのか?」
「ぅん…実は…」
渡辺に昨日のことを話した。
「そっかぁ…。大絹さんがなぁ…」
「うん…。俺信用されてないんだよ…」
隣で大嫌いなタバコをふかしながら、渡辺は俺の話しに耳を傾けていてくれている。
俺は鼻をつまみながらも、昨日のことをぐずる。
「まぁまぁ。大絹さんなりにお前を心配しているんだよ。大絹さんは優しいからな。お前に心配かけないようにしてるんだよ。信用してないわけじゃない。」
「うぅ…でもさ…」
「じゃあ仮にお前は大絹さんに何か相談されて冷静でいられるか?」
「それは…」
できるわけない…。たぶん、いや絶対に大絹さんに相談されたら戸惑ってしまう…
「できないだろ?」
「うん…」
「大絹さんはそれが分かってるんだよ。大絹さんに可愛がられてる。お前ちゃんと大絹さんの部下になってるじゃないか。」
「わたなべえぇ…」
渡辺に優しく頭を撫でられて、感動のあまり渡辺に抱きつく。
「はは。ほら。早く大絹さんのとこに戻れ。」
「ぐす…お、おう。」
渡辺の言葉に笑顔を見せると大絹さんの元に向かおうと立ち上がる。
プルルルル…
と、携帯の着信音が鳴った。
「誰からだろ?」
携帯画面を見れば、健太君の名前。
「はい。澤枝ですが…」
『あ、澤枝さん。俺ですけど…』
「うん。どうしたの?」
携帯から聞こえる健太君の声はどこか弱々しい…。
『俺…俺…どうすれば…』
「健太君?」
『あいつらに呼び出しくらって…来なければ殺すって…』
「いつ!?」
『今日…俺達が会う公園で…20時に…』
「分かった!俺もそこに行くから安心して!」
『澤枝さん…あ…ありがとうございます…。』
安心してねと声をかけると電話を切る。
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