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健太君の事件から1ヶ月が経とうとしていた。
相変わらず雑用(?)ばかりで本格的な捜査をしていない。
大絹さんもそんな状況が苦痛でないようで今現在もあくびをしてのーんびりと書類の整理をしている。
でも、一つだけ変わったこともある。
大絹さんとよく仕事終わりに出かけることが多くなったこと。
俺の家に遊びに来てくれること。
出かけることはいつものことだけど、家に遊びに来てくれるのは少し大絹さんと俺の上司と部下の信頼関係が縮まなかってきたのかな…?
そう思うと嬉しくてならない自分がいた。
大絹さんともっと一緒にいたいと欲張ってしまう…
「おーい。澤枝。これ整理頼むわ。」
「あ、はい。」
大絹さんから書類を受け取り、整理をしていく。
職場には朝から数人しかおらず、たぶん、大半は自分達の受け持ちの事件を解決にしに行っているんだと思う。
「あ、これ終わりまし…「大絹さーん!!」
後ろから声が聞こえ振り向けば、俺よりいくつか年下だろうか?
黒髪の男の子が手を振りながら俺達の元に駆け寄ってきた。
「お!浩志じゃないか!久しぶりだなぁー♪」
浩志と呼ばれる男の子を見るなり、それまで退屈そうに仕事をしていた大絹さんの表情が一変し、仕事をした中で見たことがないくらいの嬉しさと優しさを含んだ笑顔を見せていた。
その表情にチクリと胸が痛む…。
「おい、大絹。浩志に汚い手で触るんじゃねぇぞ…」
浩志君の後ろからまた声が聞こえる。
かなりどす黒い声で思わず身震いしてしまう。
「もう!勇弥はせっかく大絹さんに久しぶりに会いに来たんだからそういうこと言うんじゃない!」
「知るか。俺には久しぶりも何もねぇよ。」
「まったく…」
勇弥と呼ばれる男は浩志君に注意をされてふてくされている。
何がなんだかわからず、キョロキョロ視線をさ迷わせていると勇弥という男の後ろからまた別の声が聞こえてくる。
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