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「お久しぶりです。大絹さん。」
「おう。久しぶりだな、遥。」
遥と呼ばれた男性は、綺麗な顔立ちにそれこそまさに女性ならうっとりしてしまいそうな笑顔で大絹さんの元に来た。
「でも、久しぶりの再会なのに何やら騒がしいようで…」
「遥さんも叱って下さいよ。もう、勇弥が…」
「おやおや。」
浩志君の言葉にクスクスと遥という男性は笑っている。
その表情は初対面の俺から見ても分かるくらい楽しそうで…
大絹さん初め、皆楽しそうに笑っている。
俺はその光景…大絹さんの笑顔を見て少し切なくなった…
どこか疎外感…
それよりも今まで見たことがない大絹さんの笑顔…
これが本当の笑顔なのかと思うと胸が苦しくて泣きたくなる…
「大絹さん。あの、こちらの方は…」
「え?あ。新しく入った澤枝だ。今俺が指導していて一緒に仕事をしている。」
と大絹さんが言ったかと思えば俺の肩を引き寄せる。
「え?//」
思わず胸がドキッとなる。
間近に大絹さんの横顔があってなんだか落ち着かない。
「あれ~?大絹さんもしかして…」
ニヤニヤとしてこちらを見る浩志君に気づいて、誤解されては大絹さんに迷惑をかけると思い、勢いよく大絹さんから身体を離す。
「あ、の///お茶入れてきますね!大絹さん、せっかくお客さんがいらしたのですから別室でお話しされてはいかがですか?」
「おい、澤…「でわ、失礼します!」
一礼すると給湯室へと逃げるようにして走っていく。
「あちゃ~…ιすみません。大絹さん。俺がからかったばかりに…」
「いや、いいんだ。後で澤枝には話しておくから。俺とデキてるなんて勘違いされるの澤枝にとってはショックだろうからな。」
そう話す大絹の表情はどこか寂しそうだった…。
でも、浩志達は澤枝の先ほどの表情…困惑した表情はどこか大絹の解釈と違うような感じがした。
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