新米刑事の受難シリーズ②

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「はあぁ…」 給湯室にて、急須にお湯をいれながらため息をはく。 「澤枝さん。」 「うぉわあー!!?」 突然名を呼ばれ驚いて後ろを振り向く。 少しお湯がこぼれてしまった…。 後ろを振り向けば、苦笑いしている浩志君がいた。 「あ…すみません…。驚かせたりして…。」 「いえ…こちらこそ…」 お互い苦笑いする。 「どうかされましたか?」 「あ…ちょっと聞きたいことがありまして。あ、俺もお手伝いしますよ。」 「え!?そ、そんないいです!お客様にそんなお手伝いさせるなんて…」 「いいんです。俺じっとしてるの嫌いなんで。」 「じ…じゃあ、お茶菓子を出してもらっていいですか?そこの棚に確か俺が買ってきたクッキーがあるはずなんですが…」 棚を指差し浩志君はそこからクッキーを取りだすと、テキパキとお皿に盛り付け、紅茶のパック等も出してくれた。 「あ、ありがとうございます。紅茶もだそうと思っていたので助かりました。」 「いえ。このクッキー今人気のケーキ屋さんのクッキーですよね?開店前から並ばないと中々買えないのに~…澤枝さんすごいですね!」 「いえ…そんな…。あ、買いすぎたんで少しお裾分け…はい!これ持って帰ってください。」 「え!?こんなに…いいんですか!?」 「はい。大絹さんと俺しか食べないので…。買えることが嬉しくてつい買いすぎちゃって…」 休憩時間という時間、俺は大絹さんと二人でお茶を飲んでいたりする。 そのお菓子担当にちゃっかりなってたりする俺。 甘い物好きだし、だからか色々こったものを買ったりする。 今回のクッキーはたくさん買いすぎてどうしようかと思っていたからちょうどよかった。 「ありがとうございます!うわぁ~…よっちゃん喜ぶだろうなぁ~。今度、澤枝さんと美味しい物食べに行きたいです!俺、甘いの好きだし、よっちゃんも誘って…澤枝さん美味しいとこ知ってそうですから!」 「いえ…そんな…。でも、そうですね。今度浩志君と甘い物食べに行きたいですね。」 浩志君となんだか親近感が湧いてしまう。 友達と思っていいのかな? 良い友達ができて良かった。
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