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「あの、一つ聞きたいことがあるんですが…」
「なんですか?」
お茶の準備も終わり、運ぼうかと思っているとふいに後ろから浩志君に声をかけられる。
「澤枝さんって、大絹さんのこと好きなんですか?」
「うわあっちぃー!!?」
浩志君の質問に驚きすぎて間違えてポットのお湯をだし、もろに指先全体に被ってしまった。
「だ、大丈夫ですか!?うわぁー…ごめんなさい!!とにかく冷やさないと!」
蛇口の水をだしてお湯を被った俺の手を取ると、水で冷やしてくれた。
しばらくそうした後、給湯室に運良くあった救急箱をとりだし、さらに運良くやけど用の軟膏もあり浩志君は手際よく処置を行ってくれた。
おかげでヤケドもひどくならずに済みそうだ。
「ありがとう…その…すみませんでした…」
「いえ。俺が変な質問したばっかりに…すみません…」
その言葉に一瞬気まずい空気が流れる。
「あ…あの…どうして…俺がお…大絹さんを…好きだと思ったんですか…?」
「なんで…と言われると…勘ですね。」
「勘…ですか?」
「はい…。軽蔑されるかもしれませんが俺、今さっきいた勇弥と付き合っているんです。」
「えぇぇー!?付き合う…って…その…そういう意味の…」
「はい。そういう意味です。」
驚く俺にやっぱり軽蔑しますよねと浩志君は苦笑いする。
「軽蔑なんてしていません!!好き同士なら…その素敵です…。ただ、驚いただけで…」
「俺も軽蔑されても勇弥と別れるつもりはありません。ずっと勇弥といたいですもん。それに、男同士好きになること俺は素敵なことだと思います。」
「は、はぁ…ι」
あれ?最後の言葉って何気に俺に向けて…?
「で!澤枝さん!大絹さんのこと好きなんですか!?」
ズイッと顔を近づけられ言葉につまる。
「えー…好きって…いうか…//なんというか…」
自分でもよく分からない…
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