僕の産まれた理由

実験が始まった日

『変ね、どうして貴方だけ外なのかしら？びしょ濡れよ？』

話し掛けても返事は来ない、けれど喋らない犬が羨ましくもなる

この犬を抱き抱えてお店に入るとペットショップ独特の匂いが鼻を掠る

『いらっしゃいませー!』

『あの、この子…外に置かれてびしょ濡れですよ？どうして中に入れないんですか？』

『え、外に？でもこの子は当店にはいない犬種ですね…』

ふざけた様には見えない店員さんの驚いた反応に、この子は捨てられていたことに気づく

『そうなんですか…』

『あ、とりあえず拭いてあげないと!!どうぞ中へ』

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