覚醒――めざめ――

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 耳を聾するベルの暴れ音が頭の中に響き渡る。  脳が揺さぶられるような不快感が、友理を襲っていた。 「うるさ~いっ!」  友理は頭上の目覚まし時計をぶっ叩き、黙らせた。  そして、睡眠を妨げた忌々しい文字盤に目をやる。 「は、8時……!?」  遅刻である。急いだところで物理的に間に合わない時間だ。 「ヤバイよ! ヤバすぎるよ!」  友理は全力の速さで身支度を整え、家を出た。
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