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今日は友理の通う城乾中学校の入学式。
桜舞い散る中に忘れた記憶と君の声が戻ってくる季節である。
友理は自前の原チャをぶっ飛ばし、学校に向かっていた。
信号無視、速度違反、無免許。そんなものは知らない。
ただ急いでいる。
後ろからうるさいサイレンとスピーカーから発せられる声が聞こえるが無視だ。
友理はエンジン全開で城乾中学校の校門に突入した。
そして原チャを乗り捨て、入学式が行われている体育館の扉を勢いよく蹴飛ばした。
バタンッ! というやかましい音が体育館に響く。
体育館中の視線が友理に集中した。
今は校長の挨拶をしていたようだ。
友理は体育館のステージの上に走っていき。
呆然としている校長の顔面に華麗なドロップキックをお見舞いした。
弧を描いて、宙を飛ぶ校長。
そして、友理はマイクを奪い、ステージに立った。
生徒、教師、保護者、来賓。
全員が唖然となり果てている中、友理の高々な声が体育館に響いた。
「私の名前は山崎友理! この城乾中学校はたった今、私が制圧しました! 命の惜しい方はおとなしくしておいてください!」
山崎友理の野望は、とても大きなものだった。
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