覚醒――めざめ――

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 友理はいきなり体育館のスクリーンを下ろし、映像を流す準備をしはじめた。 他の人々は、ただ呆然とその光景を見るばかり。  誰一人として動こうとする者は居ない。  ひとしきり準備を終えると、友理は再びマイクを取った。 「えー、今から皆さんに見ていただきたい映像があります」  友理は空いている方の手でリモコンを握った。 「心して見てください。というか見ろ!」  友理は再生のボタンを押した。 「スイッチ、オーン!」  訳の分からぬまま、映像は流れ出す。  体育館中の人間が息を飲んだ。  映像は意味不明な画像の連続であった。  大概が友理のプライベート写真。それも、性的にきわどい物ばかり。 それが約三時間程続いた。  そして、映像が終了した時、それを見た全員が一斉に立ち上がり、大声で叫び始めた。 「山崎一番! 山崎一番! 友理様万歳! 友理様万歳!」  正に狂気だった。  新入生、教師、保護者、来賓。  体育館の全ての人間がそれを唱える。  友理の学校征服は、もう成功したも同然だった。 「ウフフ。ホント、馬鹿ばっかり」  友理は怪しげに笑い、体育館を後にした。
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