第漆幕【憧】

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腕の中で艶やかに啼く銀時。苦しげに、だが色めいて跳ねるその躯を貪って。 「あ……あ……土方…土方ぁ…」 解放が欲しければ、名前を呼ぶこと。 何時間もかけた仕置の成果だ。 夢と現の狭間で呼ばれる我が名は更なる官能を呼び起こす。 ぐいと瞳を覆う布を押し上げれば……紅い瞳に胸を貫かれる。 土方を責めて……そのくせ、土方によって与えられる快楽に容易く溺れていく瞳。 「くっ……」 一層強い締めつけに危うく吐精しそうになる。 コイツは―――。 きつくきつく締めつけられる感覚に汗が流れる。肘をついて堪えても尚強く……誘うように―――。 「銀…時……っ」 全てを持っていかれる……。 「上…等……だ……っ」 テメーの全てが手に入るならば……構わねぇ……。 ─・─・─・─・─・─・─ ……死んだように眠る銀時を抱きしめ、土方は微笑う。 ―――漸く。 収まりの悪い銀糸に指を絡ませ、額に口づける。 ―――俺のモンだ。 ガチャリ……。 銀時の右手と左脚から伸びた鎖は鉄柱に繋がっている。 嘗て沖田と共に廃屋に閉じ込められた経験が役に立った。 ―――やはり一本じゃ足りねぇよな。 あの時よりも重く、太い鎖をジャラジャラと引き寄せ愛おしげに見つめる。 銀時を自分だけのモノにしてくれる大切な……。 それと。 「いいな……再びテメーが逃げ出したりしたら」 テメーが大事だとほざく奴等の前で……。 その後はまとめて―――。 コイツを縛る鎖は何本あっても足りないが。 “奴等”は確実に枷となる。 「テメーが」 “裏切ってくれて本当に良かった” 薄く整った唇に浮かぶは狂った微笑。 「おかげで」 ―――心置きなく監禁できた。 今度こそ……手に入れた。 もっと早くこうしていれば良かった。何を遠慮していたんだ俺は。 「銀時……喜べ」 お前には。 二度と。 陽の目は見させない。 こうして。 俺の側に―――。 「一生……一生だ……」
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