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腕の中で艶やかに啼く銀時。苦しげに、だが色めいて跳ねるその躯を貪って。
「あ……あ……土方…土方ぁ…」
解放が欲しければ、名前を呼ぶこと。
何時間もかけた仕置の成果だ。
夢と現の狭間で呼ばれる我が名は更なる官能を呼び起こす。
ぐいと瞳を覆う布を押し上げれば……紅い瞳に胸を貫かれる。
土方を責めて……そのくせ、土方によって与えられる快楽に容易く溺れていく瞳。
「くっ……」
一層強い締めつけに危うく吐精しそうになる。
コイツは―――。
きつくきつく締めつけられる感覚に汗が流れる。肘をついて堪えても尚強く……誘うように―――。
「銀…時……っ」
全てを持っていかれる……。
「上…等……だ……っ」
テメーの全てが手に入るならば……構わねぇ……。
─・─・─・─・─・─・─
……死んだように眠る銀時を抱きしめ、土方は微笑う。
―――漸く。
収まりの悪い銀糸に指を絡ませ、額に口づける。
―――俺のモンだ。
ガチャリ……。
銀時の右手と左脚から伸びた鎖は鉄柱に繋がっている。
嘗て沖田と共に廃屋に閉じ込められた経験が役に立った。
―――やはり一本じゃ足りねぇよな。
あの時よりも重く、太い鎖をジャラジャラと引き寄せ愛おしげに見つめる。
銀時を自分だけのモノにしてくれる大切な……。
それと。
「いいな……再びテメーが逃げ出したりしたら」
テメーが大事だとほざく奴等の前で……。
その後はまとめて―――。
コイツを縛る鎖は何本あっても足りないが。
“奴等”は確実に枷となる。
「テメーが」
“裏切ってくれて本当に良かった”
薄く整った唇に浮かぶは狂った微笑。
「おかげで」
―――心置きなく監禁できた。
今度こそ……手に入れた。
もっと早くこうしていれば良かった。何を遠慮していたんだ俺は。
「銀時……喜べ」
お前には。
二度と。
陽の目は見させない。
こうして。
俺の側に―――。
「一生……一生だ……」
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