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そうだ―――。
これは自分が望んだこと。
脱け殻だろうが何だろうが。
ここにはいるのは確かに銀時で……。
どんな手を使っても欲しかった相手。
どうしても自分を見ない相手に。
その瞳に自分を、自分だけを映したくて。
その声で自分だけを呼んで欲しくて。
その笑みを自分だけに向けて欲しくて。
不意に脳裏に浮かぶ―――子ども達と笑い合う姿。
あれは、一体いつのことだった?
いつから……。
銀時は笑っていない?
「あ……」
元より嫌われていた。
自分に笑ってくれたことなど無い筈で。
それなのに。
何故。
こんなにもコイツの笑顔が恋しい?
銀時……。
「…笑えよ……」
掠れる声は情けない程に震えていて。
それなのに眼の前の銀色はただ怯えた色を瞳に浮かべて。
嘲笑でも何でも構わない。
笑ってくれ。
テメーの笑顔が見たいんだ。
何でも言うことをきくと言っただろう?
だから。
笑ってくれ!
笑ってくれ!!
笑ってくれ―――!!!
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