第漆幕【憧】

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そうだ―――。 これは自分が望んだこと。 脱け殻だろうが何だろうが。 ここにはいるのは確かに銀時で……。 どんな手を使っても欲しかった相手。 どうしても自分を見ない相手に。 その瞳に自分を、自分だけを映したくて。 その声で自分だけを呼んで欲しくて。 その笑みを自分だけに向けて欲しくて。 不意に脳裏に浮かぶ―――子ども達と笑い合う姿。 あれは、一体いつのことだった? いつから……。   銀時は笑っていない?   「あ……」 元より嫌われていた。 自分に笑ってくれたことなど無い筈で。 それなのに。 何故。 こんなにもコイツの笑顔が恋しい? 銀時……。 「…笑えよ……」 掠れる声は情けない程に震えていて。 それなのに眼の前の銀色はただ怯えた色を瞳に浮かべて。 嘲笑でも何でも構わない。 笑ってくれ。 テメーの笑顔が見たいんだ。 何でも言うことをきくと言っただろう? だから。 笑ってくれ! 笑ってくれ!! 笑ってくれ―――!!!
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