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…
「そうか。」
「何珍しい顔してるんだい?…フフフ…大丈夫だよ…お前なら大丈夫だ。」
…
「俺は必ず帰るからね。」
…
「うむ…わかった…我が立海大付属テニス部は一丸となってお前を待つ!
そしてその間、誰にも負けはせん!」
「まぁもし…そんなことがあったら、タダじゃ置かないけど。」
俺の一言に表情を少しだけ変えた。
楽しい男だ…
なんだか暖かくなって来た…
不意に眺める窓辺
外にはまだ雪が降っていた。
「来年はこの雪を…お前と一緒に、外で見れたらいいな…。」
思わず口から出た
自分でも制御できなかった…。
「うむ…必ずな…約束しよう。」
驚く位素直に
弦一郎は返してくれた。
口で言わないだけで
俺の事を心配してくれてるんだろう…。
二回目の涙腺が緩むのを感じた
慌てて俺は笑った
「じゃあ…頑張っておくれよ?…部長代理」
「任せろ!お前が戻るまでにもっと強くして見せる!」
綺麗な顔してる
迷いなんて無いんだろう…
コイツは真っ直ぐで強い
…
他愛ない話
それでも俺には最高の良薬
…
ベッドから弦一郎を見送った後
俺はまた外を見ていた
雪が月光に照らされ舞う
何時まで降り続くのかこの雪は
もう苦笑いなんかしない
例え溶けたとしても
俺を待つ春があるから
俺を支える人が居るから
雪は降り続く…
それでいい
「来年は大事な人(アイツ)と外で見れるかな…。」
小さな約束
胸に描いて
俺は眠りにつく…。
Ever lasting snow…
【END】
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