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『もう貴方と居るのは疲れたの。
わたしと離婚してちょうだい。』
『あーいいよ。俺もお前みたいな浮気女とは離婚したかったしな!』
そんな理由で、両親は15年間の夫婦生活にピリオドをうった。
俺が、十分な愛情をもらえてないうちに。
それからというもの。
一人っ子で高校も中退した俺は毎日外に出歩いてた。
変なじじぃに絡まれたり、女に逆ナンされたり不良と喧嘩したり、補導されたり。
独りぼっちで、完璧に心が腐っていた。
母親は離婚して、月日もそんなに経っていないのに彼氏が出来ていた。
毎日毎日、俺より男を構っていて。(まぁ構ってもらえなくていいけどね)
そんなある日。
俺にとって最悪な日が訪れる。
『和也。いるの?』
久しぶりに話かけられた。
40越えてるくせに格好は20代かと思わせて、ハデハデで見るからに尻軽女に見える。
若いお母さんはいいな、とよく言われてたけどここまでくると呆れる。
「……なに?」
『あんたさぁ、顔だけはいいのよねぇ』
「ちょ、っ」
スルリと腰を撫でられて、寒気がした。
すんげー気持ち悪…。
『今どうせ暇なんでしょう?毎日ほっつき歩いてるみたいだし。』
「…うるせぇな。」
『そんなに暇なら、わたしのお金
稼いでちょうだいよ。』
「…………は……?」
『その顔と身体で。
わたしの知り合いに頼んだからね。明日から行って来てね。』
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