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この場所は、街から離れている。
静かだ。
この森には虫や鳥の声がしない。
聞こえるのは、風と木々の奏でる音色だけ。
でも、俺はこのほうがいい。
静かなほうが好きだ。
騒がしい中に一人でいて、孤独感を味わうのは辛いだけだ。
・・・・・。
俺はいつのまにか寝てしまっていたようだ。
辺りは真っ暗くなっていた。
零「さすがに帰らないとまずいかな。」
零は、暗闇の中歩きだした。
街とは逆の方向に…
零「あれ?道間違えたかなぁ。」
いくら歩いても森の出口に着かない。
ズボッ
零「おわっ!?」
踏んだ地面が急に沈み、バランスを崩してしまい、一回転半して背中から地面に叩きつけられた。
零「いてて。だれだよ、こんなところに落とし穴作ったの。」
叩きつけられた背中が痛いらしく何度も背中を擦っている。
零「って、あれ?」
零は驚いていた。
周りは木々が生い茂っている。
そこに驚く要素はない。
なら零は何に驚いているのか。
それは明るさだった。
落とし穴に落ちる前までは真っ暗闇だったのに、ここは明るかった。
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