LAST  -The Soul of My Sword-

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目的地が見えてきた。 夜明けが近い。 いつのまにか周りにいた屍どももいなくなっている。 もう少しで届く。 そう。 思い、かけたところで。 「……う」 俺は、なにか。 「……うそ」 嫌なものを。 「……うそ、だ」 オレハ、ナンテ、イヤナモノヲミテシマッテイルノカ。 「うそ、だ……」 もう少し、 「うそ、だろう……?」 もう少しで。 「うそだ……!!」 もう少しで、届いたかもしれないのに……!! 「まて、よ……」 届いたかもしれない? ――オレハ何を言っているのか。 だって、あんなのはうそだ。 まだ間に合う、間に合う、はずだっていうのに。 ――なんだって俺の目は、 「く、そ……!」 ――彼女が、 「まだ、まだだ……っ!!」 ――血まみれで倒れているところを、 「まだ、間に合うっ!」 だって、あんなのは――っ!! ――こうもはっきりと見てしまっているのか。 「ま、だ――」 「残念だが、遅かったな」
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