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「ダメだろ?天見さん。気をつけなきゃ。」
「はぁ~い。」
曽根川の言葉に、愛流は触角を下げて答えた。
私たちはバタバタと廊下を走る。
「本当に困りますわ。これだから試作品は…」
私は呟きながら階段を駆け上がって、校舎の最上階へ向かう。
その後ろに曽根川と愛流も付いてきた。
「まぁ、なんとか誤魔化せたし…いいじゃない、上之宮(うえのみや)さん。」
「未完成品はおだまり。私は最高級品とまで言われた完成品なのよ?
足を引っ張らないでくださる?」
「相変わらずだね…。」
曽根川と私の会話を、背後で微笑みながら聞く愛流。
そして私たちが向かった先は保健室ではなく…
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