どたぁーん

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―――ガラッ 階段を駆け上がった先にある扉を開ける。 「校長室」のプレートが掛けられた、その奥の空間で… 「遅い。行くわよ。」 冷静な声が響く。 広い室内の窓際に立つ、眼鏡を掛けた大人の女性。 右目の下にはホクロがあり、どこか色気が漂うミステリアスな雰囲気。 「はいっ!」 私たちが返事をして女性のもとへ向かうと同時に、ヒューンと何かが作動するような機械音が鳴る。 天井からガタンと大きな音が響くと、地震のような振動が部屋全体に起こった。 校長室の中心にある大きな机。椅子に身を沈める女性は目の前のパソコンを操作した。 その校長席の前で私は足を止めた。 今度はゴーッという地鳴りのような音が響いたかと思うと、揺れは段々と穏やかになり、全身を浮遊感が包み込む。 それはまるで、エレベーターが上昇するときに感じる下から押し上げられる感じ。 私たちは上に行くのだ。 「上へ参ります」状態だ。 最上階なのに上なんてあるのか…? いつの間にか窓際に近づいていた愛流が、頭の触角をピョンと立たせながら窓ガラスに手を当てて外を見ている。 「わぁ~!学校があんなに小さいよっ?」 そう。上はある。 私たち…いや、この校長室は空へ飛び立ったのだ。
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