どたぁーん

6/10
前へ
/30ページ
次へ
今、目の前にいる校長先生の手で造られたロボット。 ロボットと言っても、三人は同じではない。 見ての通り、普通の人間と同じように性格は異なるし性別も違う。 ロボットならではの違いもあって…それはロボットの格差にもなる。 まず最初に造られたロボットは愛流。 これは「試作型ロボット」。 次に造られたロボットは曽根川。 これはまだ「未完成型ロボット」。 未完成型と言っても、私から見たら特に変わったところはない。 何が未完成なのかは謎。 そして曽根川が「未完成」のまま「完成型ロボット」として誕生したのが私だった。 もちろん能力が高いのは完成型ロボットの私。 ロボットだからって、愛流や曽根川と一緒にされたくないわ。 私たちは宇宙の平和を守るために造られた。 簡単に言えばヒーローみたいな存在。 だけど、体が丈夫で便利なロボットでも「心」という欠点はある。 いくら精密にプログラムされた心でも、感情の何か大切なものが欠けてる。 だから私たちは学校に通ったりして、人間にふれあうことで人間を理解し、「人間の心」により近づくために努力をしている。 いつか完璧なロボットになれると信じて…。 「わぁ~!地球があんなに小さいよっ?」 愛流が嬉しそうに声を張り上げた。 どうやらこの校長室は宇宙に突入したようだ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加