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「あなたたち、今日はこれに着替えなさい。」
突然眼鏡をカチャリと整えた校長先生が口を開いた。
「え?」「う?」「は?」
曽根川、愛流、私が同時に反応して校長先生を見ると、校長先生は服を私たちに投げつけてきた。
「ぶっ!」
顔に当たった服を眺めてみると、それはお気に入りの私服だった。
校長先生は話を続けた。
「最近は宇宙の調査も進歩してきたようだし、地球人たちに任務がバレたら面倒なのよ。
うちの学校の制服を着た女子高生や男子高生が、宇宙を漂っているなんて見つかったら大ニュースだわ…。
だからせめて、それに着替えておきなさい。」
「は…はぁ。その前に校長室が宇宙を漂っていることは問題じゃ…」
「あら。校長先生が着替えを手伝ってあげてもいいのよ?ひかる。」
曽根川の言葉を遮るように、鳥肌の立つような怪しげな表情と口調で校長先生は話した。
「い…!いえ!自分で着替えますから!余計なこと言ってすみませんでしたっ!」
慌てる曽根川を見て、私は溜め息をついた。
あんなに恥ずかしがって…馬鹿みたい。
校長先生は製造者なんだから、私たちの身体なんてきっと見慣れてるわよ。
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