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「先生。私、首が痛いので保健室に行って参りますわ。」
私は椅子から音を立てて立ち上がると、先生に話しかけた。
「あら…先生のせい?」
低く響く声と共に鋭い眼光を向けられて、私は顔を引きつらせた。
面倒な人だ…。
「いえ…そうは言ってませんわ。
気分も悪いのです。保健室で休みたいですわ…。」
「それも先生のせい?っていうか仮病でしょ?」
「ちっ…違いますわよっ!少しは生徒を信用したらどうですの!?」
私が言い返すと、突然声が響いた。
「いたたたたたっ!」
その声は曽根川だった。
「先生…僕はなんだか急にお腹が痛くなったので保健室に行きたいです!」
それはそれは棒読みの下手くそな演技だった。
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