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「よし」
愛流は魔法陣を書き終え、立ち上がる。
「陣よ…数多の精霊よ……
古の封を解き放ち我の呼び掛けに応えよ……」
愛流は習った呪文を唱え、魔力を魔法陣に込める。
すると、魔力に呼応するかのように魔法陣が光輝き始めた。
「――っ」
目を開けていられないくらいの光に手で目を覆う。
『あなた?
私を喚んだのは』
頭に直接語りかけるような声がした。
愛流はすぐに目を見開く。
すると周りは熱くない炎のようなもので囲まれていた。
「な、なに!?」
さらに辺りを見回すと一羽の鳥……、鷲くらいの大きさで炎に包まれたかのように紅く光輝く鳥がいた。
『ねぇ、喚んだのはあなた?』
「えっ?
えっ?」
愛流は比較的に頭のいい子だ。
それは成績面だけではない。
どんな状況下に立たされても冷静に努める。
精神的にも強い子だ。
その愛流が慌てふためいている。
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