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「一応ここに…」
愛流が指さす方を担任は目で追う。
視線がたどり着いた先には愛流の肩だった。
肩には鮮やかな赤色をした小鳥が一羽とまっていた。
「……これか?」
「はい…」
愛流は苦笑を浮かべながら言う。
『あら?
何故そんな顔をするのかしら?
あなたがこの姿を望んだのでしょ?』
愛流の頭に直接語りかけているのは肩にいる小鳥だ。
どうやらこの小鳥はキルルらしい。
『この顔をしてたら誰も怪しまないんだよ』
『へぇ……、そう』
この頭に直接語りかけているのは念話と言う。
使者と主、この二つの魔力が合致して念話は成立させる、つまり念話を使えるようになる。
「まぁ、簡易魔方陣だからな。
そう落胆するなよ」
担任は愛流を慰め、他の生徒を見始めた。
愛流の読みは正しかった。
不死鳥を召喚したとならば、パニックになるだろう。
だから、キルルの姿も偽造した。
顔も作った。
そのおかげで、この場はパニックになってはいない。
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