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「キャアアァ!」
腹の底から出したような悲鳴に一瞬身体がビクリと反応する。
その次の瞬間には誰の悲鳴であり、何故悲鳴をあげたのかまでが分かってしまう。
「虫でもでたかな?」
「だろうねぇ~」
呆れた顔をしてお互いを見る。
ふぅ、とため息を吐いて座っていた椅子から立ち上がる。
「助けに行こうか」
「そうね」
恐らくは虫に怯えている友人を助けるために教室から出る。
ここは学園であり、教室だ。
あの悲鳴の音量からして、そう離れているものではないだろう。
その証拠にすぐに彼女を見つけることができた。
「玲菜~、大丈夫~?」
「ひ、ひかる!
愛流も!」
彼女、玲菜は友人の顔を見た瞬間に安堵の表情を見せる。
「どうしたの?
また虫でも出た?」
玲菜は指を指して首を縦に激しくふる。
そして指を指した先を見ると可愛らしいてんとう虫がいた。
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