_最後の日常

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蝶にないものは椿が持ってる。 椿にないものは蝶が持ってる。 ……それでいい。 だって… 「蝶っ! ……どうしたの?」 いつの間にか目の前に椿が立っていた。 浮かない顔をしていたのを見られたのだろう… 椿の方が浮かないをしていて 思わず笑ってしまった。 本当に優しい子。 「なに笑ってるの?」 「ううん、椿は俺にないものを持ってるなぁ、と思っただけ。」 「………蝶、当たり前じゃない」 「…そうだよね」 これは双子の特権だろう。 何も言わなくても蝶と椿は通じ合う。 「何が、そうだよね、だ! 俺にもわかるよう会話しろよ。」 総が会話に参加出来なく二人の間に入れば 蝶の顔は明らかに面倒くさいと歪むが 総は諦めずに椿に視線をやった。 「知りたい?」 椿は焦らすように蝶に視線をやり不敵に笑う。
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