_最後の日常

11/13
前へ
/574ページ
次へ
二人で「ねぇ?」と笑顔で言うと 総は「そうでしたね」と苦笑いを浮かべた。 ここまで、お互いを尊重し合う兄妹はいないだろう。 だが、2人は双子で しかも、生まれた時から“同じ”だった… だから、異常なまでに私たちは“同じ”を求めたんだ。 暗くなり月が主役の時間にやっと家についた。 私は蝶と総に振り向き軽く手を上げる。 「じゃ、私はさっちゃん探してくるね。」 さっちゃん、とは さっきの子供たちのお友達。 最近、疎遠して来た子ではぐれちゃったみたい。 迷子の子をさがすのは 歳が比較的上の私たちの役目でもあるのだ。 捕まえられる前に行こうとしたが 反応は蝶の方が早く呆気なく捕まってしまった。 もうちょっと、頑張ろうよ自分… そう思ったのは 今回が初めてではないことは伏せておこう…
/574ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加