_地から地獄へ

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「なんで、軍は動かないの?」 情報が入っているのなら 軍はすでに到着していてもいいはずだ。 なのに、軍の奴らこの電波の先で話をしている… 再び、ノイズ音に混ざり言葉が聞こえてくる。 “お前たち!何をしている!” ノイズ越しでも新たに登場した人物だとわかる。 今まで話していた奴らとは若干声が低い。 “リ…リクハ大佐?!” “上は動かない! 俺の隊だけで街に向かう! 先程、そのように伝えたはずだが?” “た、大佐!! 正気ですか? 今から行っても間に合いませんよ!” 間に合わない? って、ことは敵はすぐそこまで来てるってこと?! “お前たちは何のために国家武装軍隊に入ったんだ?” “あ、その、でも…” “あ、でも…言い訳か? なら、聞きたくない。 お前たちはもういらない、出てけ!” 男の荒げた声とドアのノック音が重なり慌ててラジオを切った。 先程の事から心拍数が上がってしかたがない。
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