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街外れに建てられたサイレン塔に飛び込むように入る。
サイレン塔は緊急を知らせるために作られたのだが…
「…鳴らない」
ボタンをいくら押しても
ただ、カチカチとしか乾いた音しかしない。
これが平和ボケからきた結果だろう。
この街は平和過ぎた。
狙われる危機感のなさが
サイレンが壊れていることに誰も気づかなかった。
「どうしよう…」
機械いじりは蝶の方が得意だ…
あの軍の電波をキャッチしたラジオだって蝶が作ったんだし…
「……蝶、どうしよう。
どうすれば…いい?」
一応、ドライバーとか必要なものは探し出したが…固まる自分。
「コードいっぱい」
目の前に広がるのは
蜘蛛の巣のように入り組んだコード…
どれがどうなのかサッパリだ。
「…よし、やってやろうじゃん」
この自信はどっからくるのかわからないが
私だって蝶の妹なんだから出来る!……たぶん。
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