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時間が迫ってきているのを感じながらも手はスムーズに動いた。
双子の特性と言うのだろうか?
時々、蝶にしか出来ないことが
椿にも出来たりする現象が起こる。
その逆もまた然りなのだが
これは刻まれた遺伝子がほぼ同じだから、と言うことにしとこう。
「できた♪」
満足感に浸りながらボタンを押せば
街中にサイレンが鳴り響いた。
時間はない。
椿は蝶を探しに街に戻るが
サイレンによって危機感を感じ
逃げ惑う人たちの群れで上手くは前に進めない。
まったく…普段から平和ボケしてるからこうなるのよ。
心の奥で悪態をつきながら駆け足で人の隙間を縫うように進んでいると
空から機械音が響いてきた。
見上げれば敵の戦闘機…
黒い鉄物が一度街の上空を飛び去ると
街から離れたもう一台の戦闘機からだろう。
ヒューっと甲高い音が響いた。
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