_最後の日常

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空がオレンジに染まり 夕焼け空へと変わる頃がいつもの帰りの時間。 今日は朝から水を汲みに川まで行って 1日の殆どの時間を使ってしまった。 今は皆が共有している畑で 明日の分だけの食料を籠にいれ終わったところだ。 腰を伸ばし泥を叩きながら歩いて 蝶との待ち合わせ場所へと向う。 「おっす、蝶!」 バシッ、とリアルに音が響き 同時に背中に激痛が走った。 「テメェ…」 背中をさすりながら 若干涙目になりつつも顔を上げ 背中を容赦なくぶっ叩いてきた奴を睨む。 奴と言うのは… この悪気もなくヘラヘラして 私と蝶を間違えた男…総(ソウ)だ。 一応、幼なじみ。 総は2コ上のお兄さんだが 全くそんな感じはしない。
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