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カチャ―と遠慮がちに開けられるドアの音に、ほんの欠片ほど意識を持って行かれる。
それでも瞼を開けるまでは覚醒できず、そのまま再び眠りにつこうとする。
『亜季、もう起きねーと遅刻すんぞ』
オレの大好きなエロボイスに意識は早速起動、のろのろと毛布から顔を覗かせて、抱けと言わんばかりに腕を差し出す。
『…蓮…キス、しろ…』
『…💧しねぇよ』
何でこいつはこーもノリが悪ィかな……
とてもオレの弟とは思えねぇ……
あ、そーだ。血ィ繋がってねぇんだ✨
プレイボーイの親父、中条 篤弥が5年間の不倫の末、前妻と離婚。
後の再婚相手の連れ子が蓮だから、オレたちは義兄弟になる。
世間一般では自分の母親を悪く言うのは少々気が引けるだろうが、確かに問題だらけの女だった。
オレがガキの頃から毎晩飲み歩き、家の事はおろか子供の世話だって疎かにするどうしようもない女だった。
中学に入る前に中条の実家にオレと親父は転がり込み、離婚が成立するまで完全別居という形に至った。
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